貴公子?いいえ、俺様男です
「どうした?みんなと一緒に行かなかったのか?」

「………」

俺の問いに答えず、口を真一文字に結んで俺を睨みつける。

「………」

ガシッ

「シュウさん、ニシン蕎麦が食べたい」

俺の腕をガシッとつかんだ。

「お、おう」

「どこへ行くつもりだったんですか?」

「貴船神社」

「もみじ灯篭!」

「当たりだ。里菜ちゃんも行く?」

「うん!」

いつもの笑顔だ。

出町柳駅から叡山電車に乗る。

途中、車内灯が消され、電車の両側に現れた「もみじトンネル」を堪能する。

ちょうど見頃を迎えた紅葉は、沈んだ気持ちを上向きにしてくれる。

隣にいる里菜ちゃんの笑顔にも救われていた。







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