貴公子?いいえ、俺様男です

柔らかいなぁ

俺は夢を見ていた。

昨日は、休憩を入れながらも、結構な距離を歩いてたと思う。

久しぶりに、しっかり歩いた。


ふわふわ…


この柔らかい抱き枕のおかげで熟睡できてる。。。


ん?…抱き枕⁇


意識が少しずつ浮上する…


俺のすぐ目の前に、黒い犬…


あれ?


艶やかな黒髪がサラリと肩にかかる。

透きとおるように白い陶器のような肌。

しっかり伏せられた長い睫毛。

ふっくらとしたピンク色のくちびる。

「里菜ちゃん…?」

・・・・・

記憶を手繰り寄せてみる。

昨晩、里菜ちゃんをベッドへ運んで、動かなくなった俺は、寒さに耐えられなくなり、眠っている里菜ちゃんの隣に潜り込んだんだ。

・・・・・

・・・

そして、いつの間にか、里菜ちゃんを抱きしめて眠っていたようだ。

「………」

すぅーーー

「眠い…、もう少し寝よ」


俺は、また眠りに落ちた。






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