貴公子?いいえ、俺様男です
早く日本へ帰って、里菜ちゃんに会いたいと思った。

一人飛行機に乗り、俺はパリの街を後にした。


・・・・・


アトリエ シュウの前に俺は立つ。

営業終了15分前だ。

仲睦まじく、商品を棚に並べている二人がいる。里菜ちゃんと達也だ。

なんか…店に入るタイミングを逃した。

ガラス窓越しに店内の二人を見る。

二人は、ときどき視線を合わせながら、商品を箱から出しながら並べている。

里菜ちゃんが達也に何かを言い、照れたように頭をかく達也。


イラッ…


俺は視線を自分の靴に落とす。


次に二人を見ると、

…あ、しゃがんだ。
達也が里菜ちゃんの左肩に手を置き、右手を握るのが見えた。
見つめ合う二人…


…っ!


駈け出す俺。店内へ一直線だ。


バン!


乱暴に店のドアを開ける。



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