貴公子?いいえ、俺様男です
私の一番のお気に入りになった"アトリエ シュウ"に、大学の授業がない日や時間を見つけては通った。

季節ごとに変わるウィンドウのディスプレイも楽しみだった。

丁度、フラワーアレンジ教室が終わる時間に行った時、さらに私は興奮した。

生徒さんたちに、出される紅茶のカップが、大好きなマイセンのカップだったから。

マイセンは、西洋白磁の最高峰で、カップとソーサー一脚のお値段は相当なもの。それが普通にお茶の時間に出されているのを初めて目にし、大興奮だ。
飾って、眺めるだけの物と思っていたから。

「里菜ちゃんもどうぞ?」

お茶の様子を、ものすごく凝視してたらしい私を、シュウさんが呼んでくれた。

「お、おじゃまします」

うわぁーー!私、マイセンでお茶を飲んでる!

「わぁ…ブルーオニオンだ…」

感激して目尻にじわりと涙まで滲んできた。
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