強引な次期社長に独り占めされてます!
だいたい、主任は私が人見知りなのわかっているじゃないか。

それなのにイキナリ主任の友達にフレンドリーにされたって困るだけだってわかってもよさそうなものでしょう?

「主任も間違いなくいじめっ子ですよね……。私、いじめっ子は苦手です」

真面目な顔をして呟くと、主任も真面目な顔を返してきて……。

「それは初めて言われたなぁ。俺っていじめっ子か?」

最後はお友達さんを振り返った。

「知らねぇよ。とりあえず、早くテーブルにつけ」

苦虫を噛み潰したように主任のお友達は呟いて、さっさと歩きだしたからふたりでついて行く。

店内……なんだろうけれど、中は“インテリアに凝っているご自宅”といった風情。

ちょぴりアンティークな飾り棚の上に大きな花柄の花瓶。そこには大輪のバラの造花。白い壁には前衛的な抽象画。上を見上げると、昭和レトロな照明器具。
てんでバラバラだけど、どこか統一感があるのは風景に溶け込んでいるからなのかな?

案内されるままにテーブルについて、主任はお友達さんを見上げた。

「今日は友香ちゃんはいないのか?」

「人の嫁を軽々しく“ちゃん”付けで呼ぶんじゃねぇ。買い出しだよ」

そんな会話を聞き流しつつ、通された部屋の内装を眺めていく。
< 121 / 270 >

この作品をシェア

pagetop