強引な次期社長に独り占めされてます!
「私もお腹が空きました。でも、ここって予約とか要りそうなお店じゃないですか?」

微かに話題をそらすと、主任はにこやかに頷く。

「ここはダチの店。タクシーの中でメールしたから大丈夫」

そんな事していたなんて、全く気付かなかった。
考えていたら背中を優しく押され、歩かされながら主任を見上げると、同時に目の前のドアが開いた。

「馬鹿かお前は! 女の子連れているのに、何をそんな寒いとこで突っ立っているんだ!!」

怒号ともとれる大きな声に、思わず身を竦めて主任のコートを掴んだ。

目の前の人は大きな人だった。
色黒で、目はギョロリとしていて、表情は厳ついとしかいいようがない。
白いコックコートを着ているから、たぶん彼が主任のお友達……?

「政孝……あまり大声出すな。松浦が怯える」

「この子に言ったんじゃねぇ、お前に言っているんだよ。早く入れ」

悪い人じゃなさそうだけど、めちゃくちゃ怒ってませんか?
ビクビクしながらも、主任に押し出されて玄関とおぼしき入口に上がり込んだ。

「俺の声がデッカイのは生まれつきだ。気にするな」

私を見下ろしているから、私に言っているのかな?
コクコク頷くと、後ろで主任が爆笑していた。
結構ひどいと思う。
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