強引な次期社長に独り占めされてます!
「……少し体勢に無理があるな」

だって足捕まれたまんまだもん。
ちょっと苦しいけど、抱きつけないわけじゃない。

「まぁ、いいみたいだな」

そう言うなり、主任は立ち上がって私を抱え上げる。

ゆらゆらと運ばれながら、ぱちくりと平気な顔をしている彼を見上げた。

「……ずっと思っていたんですが」

「ん?」

「主任て力持ちだよね」

「か弱い男子が好みか? じゃあ、ズルズル運ぶけど、それじゃーおかしいだろ」

私だって、ズルズル運んで欲しいわけじゃないけど。

これはこれでいい……あれ、よくない? 私は一体、どこに運ばれているの?

カチャリと音がして薄暗さに目を見開いた。

雰囲気からすると、これって寝室って言うんじゃないかな。きっと言うよね。

「主任! いきなり?」

「いきなりでもないだろ。場所気にしないなら」

「や。場所とかはどーでもいいけど」

と言うか、初キスは彼氏の寝室とか、ある意味でインパクトあると思うけど。

でも、ある意味では想定内の事なんだ。主任の部屋に行くって事は、そういう事も含められているのはわかっていた。

だけど、理解していても少し感情がついていきにくいのも確かで……。

考えていたら、ビックリするくらい優しく、ゆっくりと横たえられた。
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