強引な次期社長に独り占めされてます!
そして、今更ながら違うこともわかります。

「私って、たくさんの人に見守られていたんですね……」

とっても、嬉しくて恥ずかしくて困るけど……。

「主に上原主任にね。彼、最初は宮園さんタイプが入って来たのかと思っていたみたいで、そわそわしていたけれど」

宮園さんタイプ?

不思議そうにすると、野間さんは笑いながら指先をぴらぴらとはためかせる。

「あなた大人しくて、何を考えているかわからなくて、俯いてばかりでいるから。でも、急に扱い方が変わったのよねー?」

扱い方が……って、たぶんそれは、私が“魔女”だとバレてからかもしれないな。

私だって“いきなり何だろ”って思ったもん。

「……主任て、本当に私のどこを気に入ったんでしょうか」

「松浦さんの事だから、それはノロケじゃないよね?」

え。これはノロケの部類に入るの?
それはそれで、恥ずかしい。

「まぁ、今回の件はしばらくかかるかもしれないけど、落ち着いたら聞いてみなさいよ。告白はうまくいったんでしょ?」

……う、うまくいったよね。

うまく行きすぎで、困った事態になだれ込んだよね。

恥ずかしいー!

両手で顔を隠した私に、野間さんは優しく笑いながら呟いた。

「社長に付き合いバレたから、覚悟しておくことね」

……何だかとっても不穏な事を言われた気がする。









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