君を想う【実話】
部屋を真っ暗にしてミラーボールを回す


音楽を大音量に流せば、家がクラブに変わる



心地よい空間



暗闇にミラーボールが幾つもの影を作る


酔っ払いが踊る姿は、なんとも面白い



いかつい奴等が、パラパラなんて踊って..



瑠奈はそんなみんなの姿を微笑みながら、見つめていた






ガチャッ―





「きゃっ!?」



ドアが開く音と同時に腕を引っ張られる



そのまま廊下に引っ張られ、転んでしまった



「痛ぃ..」



腰を押さえながら、目の前に立つ人を見上げる



「え..」



薄暗い明かりがその主を照らしだした





「ともや..」





愛しい人の姿..





気が付けば、抱きついていた




「..作業着だから汚れんぞ」



そう言いながらも、智也はしっかりと瑠奈を抱き締める



「ちょっと抜けるか」



耳元で聞こえる優しい声



瑠奈が頷くと、そのまま二人で家を抜け出した




満天の星空



雪が降りそうな寒さ



白い息が宙を舞う



「さみぃ..」



自然と繋がれている二人の手



右手から、智也の体温が伝わってくる


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