君を想う【実話】
「瑠奈、ちょっと手伝ってくれる?」
「はーい」
智也のお母さん、ともママに呼ばれて瑠奈は台所に向かう
正月休み、ずっと智也の家にいる瑠奈
智也の家族とは、かなり仲良くなった
ともママも智也のお父さん、ともパパもお姉ちゃんの美華ちゃんもみんな優しくて大好き
今日は、智也の正月休み最終日
「もっとあったけぇ格好しろよ」
ご飯を食べ終えて、服を着替えた瑠奈を智也が不満そうに小突いた
「智也、保護者みた〜い!女の子のお洒落には我慢も必要なの。ねぇ〜?」
美華ちゃんがそう言って笑いながら瑠奈を見る
「ねぇ〜」
瑠奈も笑顔で同意すると、智也はわからないといった様子で顔をしかめる
手を繋いで外に出ると、確かに寒い
でも、瑠奈の胸は歩くごとに高鳴って、寒さなんてあっという間に吹き飛ぶ
今日行くところは、特別だから..
電車に乗って、窓の外を眺める
いつもより極端に、二人の会話は少ない
繋いだ手から伝わるお互いの体温
それだけで十分だった