君を想う【実話】
§第11章..希望§
あの事件から一ヶ月がたつ頃、瑠奈は一人の男の元で暮らしていた



あの日から学校には行っていない



誰とも連絡をとっていない



あの日から開いていない携帯



充電機から抜くことだけはできなかった..




ガチャッ―




「瑠奈、腹減ってねぇか?」


男は優しく笑う



彼の名前は


渡来 海斗(ワタライ カイト)



綺麗な顔立ちに鋭い目


笑うと八重歯が見えるのは瑠奈と一緒


「俺、今日は集会だから、飯はお袋に言ってな」


「あいよ。いってらっしゃい」


刺繍欄に身を包み、海斗は部屋を出てく


単車のうるさいエンジン音がかかる


瑠奈は壁に寄りかかり、離れていくエンジン音に耳をすましていた



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