君を想う【実話】
瑠奈は、あの日から昔の瑠奈に



人を平気で傷つける瑠奈に戻っていた



誰でもいいから忘れさせてほしかった




何もかも―..




家にも帰らず、男の家を渡り歩いた



そんな時、前に何回か会ったことのある海斗に再会した



海斗は瑠奈の3つ上


大きな族を束ねる頭



「初めて会った時に一目惚れしたんだ。俺と付き合ってほしい」



突然の告白だった


「無理」


「理由は?」


即答した瑠奈に海斗は、納得いかなそうな顔をした


「彼氏なんかいらない」


もう、彼氏は作らない



「そんなお前、見てらんねぇんだよ」



海斗の真っ直ぐな瞳




そんな目で見ないで..




思い出したくない..




「..ただの暇つぶしだよ」


こんな体に価値はない..



「じゃぁお前、今日から俺んち住め。付き合わなくてもいい、俺のそばにいてくれよ」


そう言われて、半ば強引に海斗の家に住むことになった



そばにいることに特に理由なんてない



誰かにそばにいてほしいために、海斗の気持ちを利用した



< 93 / 436 >

この作品をシェア

pagetop