君を想う【実話】
地元から少し離れたこの地で、一から生きていくことを瑠奈は決めた




全てを忘れるために




智也を忘れるために..




「瑠奈、寝てるのか?」


海斗の声に目を覚ましたが、瑠奈はいつも寝たフリを続ける


「寝たのか..」


海斗は瑠奈の髪を撫でながら、たまに優しいキスをする


起きてる時、瑠奈に触れたことなんてない..


だから、こうして寝たフリをする


「ほんと、人形みてぇだよな」


瑠奈のまつ毛や鼻筋、唇を指でなぞる


くすぐったくて笑いがこぼれる


「お、起きてたのかよっ!?」


海斗は恥ずかしそうに顔を埋めると、ごめんと呟いた


「なんで謝るの?いつも起きてるよ」


悪気もなく、瑠奈は答える


「最悪..付き合ってねぇし、起きてたらできねぇじゃん」


そう言って、耳まで真っ赤にする海斗が可愛いと思った
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