恋は死なない。

 家族の一員




「佳音ちゃん、お客さんに申し訳ないんだけど、手伝ってくれる?」


キッチンにいる真琴から声を掛けられて、佳音はそこへ向かう。


「ほら、お前たちもお手伝いだ。真和はお風呂掃除だろ?」


リビングから響いてくる古庄の声を聞きながら、真琴に指示されて手を動かし始めると、佳音はもう古庄家の家族の一員になった。


古庄は仕事をして帰ってきているのに疲れなど見せず、子どもたちの面倒をよく見てくれている。
賑やかな中にも子どもたちはよく躾けられていて、それぞれが自分のできることを見つけては手伝っている。琴香も佳音と一緒に、おぼつかない手つきで配膳を手伝った。


そして、みんなで手を合わせて食事が始まる。すると、赤ちゃん用の椅子に座らされていた円香が、またぐずり始めた。


「あらあら、あなたもお腹がすいたのね?」


と、真琴は目の前にある温かい食事を放置して、円香を抱き上げてリビングへ向かい、ソファに座ると授乳を始めた。

真琴が洋服をめくりあげて、乳房を見せる様子に、佳音は少しギョッとする。けれども、古庄も子どもたちも、それを見ても気にすることはなく、夕食を楽しそうに食べている。



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