『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
ちらっとあたしの方に目を向けた中田さんは、そう言って明るく喋りだした。


「いい出会いがおありだったのだな…と思いました。仁科さんに是非とも…と勧められて仕方なくアポを取った手前もあって、ホッと致しました…」


「す、すみません。……叔母はあたしとなんだか似てるみたいで……」


破天荒で聞き分けがない。
人のことをあれこれ言う割に自分もそんな性格なんだ。


「仁科さんの姪御さんだからという訳ではありませんけど、私としてはホッとしています。
飾らない性格の剛様には、貴女みたいな方が似合う。変にお嬢様意識が強くて鼻持ちならないお方よりも数十倍感じがいいです」


「そんなこと!…絶対にありません……」


頭の片隅に蘇ったのは、いつぞや連れ帰ってきたお嬢様の三条さん。

キラキラのスパンコールが入ったワンピースは、本人にとても気品と上品さを与えていた。
濃いめだけど嫌味のないメイクもルージュも美しく描かれてた。

何よりもあの綺麗に巻かれた髪の毛。
栗色に染まった地毛からして絶対にハーフかクォーターに違いない。


「本当ですよ。私が言っても信じられないかもしれませんけど、剛様がお付き合いされてた方は、いつもお金持ちのお嬢様だけとは限らなかった。
一般の方もいたように思います。……あっ、今のはどうか内密にして下さい。怒らせると意外にも厄介な方なので…」


頑固者だと言ってた咲子さんの言葉を思い出した。
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