マスク男子

「でもさ…真妃ちゃんこの前、藤野くんとのデートは完璧なエスコートだったって」


あぁ、言ってたね
でも、俺はエスコートしてると言うより…


「俺はただ、真妃が迷子にならないように気を配ってただけだよ。それを真妃は"完璧なエスコート"って言ってるだけ」


俺は何も導いていない
明堂のようにプランを立てる訳でもない
俺はただ真妃に寄り添ってただけ


「へぇ…迷子癖があるとは聞いてたけど…想像以上だったわ。本当に迷子になるんだね」

「多分、数分目を離したら見失うよ?佐々木さんも真妃と出掛ける時は…頑張ってね」

「うん、頑張る」


佐々木さんが頷く横で、田中が俺に同情の目を向けていた


「大変な性格の彼女だね?」

「まぁ、慣れれば可愛いよ?」


何にで興味を持って楽しそうにしてる真妃を見てるのは、なかなか楽しい


「イっくんの愛の深さが垣間見える」


田中がキラキラ、うっとりした目で俺見てくる


「はいはい、勝手に垣間見てろ」


さて、真妃は大丈夫だろうか?





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