嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「ふうん。なんやなんぼでもいてそうやけど」
「そうやと嬉しいんですけどね」
「成海さん!」
池上くんに説明する仕事の準備をしていると、後ろから新入社員の清美ちゃんに呼ばれた。
「ん?」
スラリとした身体に、軽くウェーブのかかった栗色の髪。パッチリとした瞳にくるんと睫毛が綺麗に上げられている。
「ズルイです〜。わたしが池上さんに付きたかったですぅ」
わたしが決めた訳やないけどね。
色々と社内でも声をかけられることが多い彼女は少しでも好条件の男子をゲットすることに余念がないらしい。
「主任が慣れるまでの一時的なものと違う?どうしても付きたかったら課長にお願いしてみたら?」
課長に丸投げしてやった。
仕事の覚えがイマイチなのを可愛らしさでカバー出来ると本気で思ってそうな彼女の相手は本当に面倒だ。
「はぁい」
ニコニコと返事をする。
「高木さん!!」
フロアに響く声で清美ちゃんが呼ばれた。