嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


「えーっ、すごぉい!社宅やなくて自分のマンションなんですかぁ」

清美ちゃんがあげた高い声にびっくりした。

そんなこと言っちゃうとますますロックオンされてしまうのに・・・・・。チラリと池上くんの顔を見ると、苦笑いを浮かべている。

「成海ちゃん、携帯鳴ってる」

「あ、すいません」

バッグから取り出して画面に表示された名前を見て、軽く溜息をついた。

席を離れてトイレの前で電話に出た。

「もしもしーーー」

『今どこ?』

「今日は会社の飲み会やの。遅くなる」

『酒、飲んでないやろな?』

「飲んでないよ。は?迎え?要らないし。大丈夫、子供と違うから。心配症やねぇ、健太郎さん」

遅くならないうちに帰れよと電話の向こうで騒ぐ人に心の中でゴメンと謝りながら終話ボタンを押す。

もうアラサーの女子を心配し過ぎ・・・・・そう声高に言えない理由が自分にあるのが重々分かっているので強く言えない。

「家の人から?」

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