この度、友情結婚いたしました。
「そりゃー……私だってそうしたいところ、だけどさ」


曖昧な返事をすることしかできない。

私だけそう思っていたとしても、向こうがそうは思っていなかったら、どうすることもできないわけだし。


『どにかく仲直りしなさいよ、いいわね?そうしたらみんなで飲みに行こう』

「え……あっ、ちょっとあさみ!?」


自分の言いたいことだけ言うと、さっさと電話を切られてしまった。


「もうっ!最後まで話を聞いてよね!」


つい切れたスマホに向かって文句を言ってしまう。

そのままスマホを乱暴にテーブルの上に置き、ソファーに深くもたれ掛かった。


もう琢磨と別れて十年も経っちゃったんだな。

しみじみそう思うと、月日の流れの速さに驚愕してしまう。
自分ではまだまだ若いつもりでいるけれど、年齢的に考えたらそうじゃない。


大人になってまで、高校生の時の傷をいつまでも気にしている方がおかしいよね。


琢磨の方が正しい。
付き合っていたと言っても一年くらいだし。……浮気されたってことも時効だよね。
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