この度、友情結婚いたしました。
でもそれを言ったら私だって、春樹の好みは嫌っていうほど熟知している。


「だってこういうのって、春樹の好みまんまでしょ?昔から春樹が連れ歩いていた女の子は、こんな服ばっかり着ていたし」

「うっ……!お前、そういうこと言うなよ。せっかくデートしているっつーのに」

「だって本当のことじゃん」

図星を突かれ、すっかり意気消沈。

「いいから試着して来い!」

これ以上突っ込ませるものか!と言いたそうに、ワンピースを押しつけると試着室に押し込まれてしまった。

シャッと手早くカーテンを閉めると、「着替えたら絶対見せろよな」と念を押してきた。


自分の好みではなく、ましてや試着する前から似合わないと分かっている服を着るのは、普段だったらもちろんお断りだけど……密室に押し込められてしまった以上、試着して尚且つ着たところを見せないことには、ここから脱出できなそうだ。

大きな溜息ひとつ漏らし、渋々着替え始めた。



「おぉ……!これはなかなかの女子力!」

試着した自分の姿を、全身鏡でまじまじと見つめては声を上げてしまう。

くるりと背を向ければ、レースがあしらわれた部分がふわりと揺れた。

これはもう春樹のドストライクゾーン間違いない。
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