この度、友情結婚いたしました。
「あいつらめ……っ!俺が動けないことをいいことに、言いたいことだけ言って逃げやがって」

どうして琢磨があんなこと言い出したのか分からないけど、春樹さんも春樹さんですよ?


つい今さっき私の気持ちをこれでもかってくらい伝えたというのに、どうして一々過剰に反応しちゃっているのかな?

「ちょっと春樹さん、私の気持ち分かっていないんですか?」

「は?なにがだ――っ……っ」


ギロリと睨まれた瞬間を狙って、春樹の口を塞ぐようにキスを落とした。


すると途端に春樹は押し黙り、唇を離すと魂が抜けた顔をしちゃっている。


「おまっ……!やめろよなっ!二回も不意打ちは!……こっちはもっと激しいチューしたくても我慢しているっつーのに!!」


「そうなの?じゃあもっとほっぺにキスしてあげる」

「やめろ!俺を欲求不満死にさせるつもりかっ」



あぁ、やっぱり春樹とはこうでなくちゃ。
下らないことで言い争いをして、笑い合って。

これが私と春樹の愛のスキンシップなのかもしれない。

怒り狂う春樹に、その後も何度も頬にキスを落としていった。
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