この度、友情結婚いたしました。
途端に春樹は顔を顰める。
それを気にすることなく、言葉を続けていく。


「大沢春樹さん、あなたはだらしない自分を愛してくれる内村まどかさんを、一生涯かけて愛することを誓いますか?」

「もちろん誓います。きっと俺が愛してやらないと、まどかさんは一生誰にも愛されないと思いますので」


すっかりいつもの調子に戻ってしまった私達は、バチバチと火花を散らしていく。


「おい、今日はがっつり唇にキスさせてもらうからな」

「冗談!きっちりこの前と同じく頬にお願いします」

「無理です。なぜなら今、可愛すぎるまどかにキスしたくて堪らないから」

「はぁ?」


そう言うと春樹は乱暴にベールをめくり、腰に手を回すと強引に唇を奪っていく。


「ちょっ……っ!」


それも一度じゃなく、角度を変えて何度も何度も。


次第に深くなる口づけに、呼吸ができず苦しくなる中やっと春樹は唇を離してくれた。


乱れる息を整えながら瞼を開けると、満足気に私を見る春樹と目がかち合う。


「どうだった?誓いのキスは」


「どうもなにも、こんなの誓いのキスでもなんでもないんですけど!!」
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