この度、友情結婚いたしました。
番外編「急遽、新婚旅行へ行ってまいります」
春樹とふたりっきりの結婚式を挙げて早一ヵ月。


今日も相変わらずアホでおバカな春樹さんは、のんびりソファーに寝そべり雑誌を眺めていた。

そんな旦那さんが寝そべる下で、法律関連の本を読んでは勉強していた時だった。


「なぁ、なぁまどか!俺はここの旅館がいいと思うんだけど、どう思う?」

「えー……どっちの旅館でもいいと思う」


それよりこっちは勉強しているんだから、話掛けないで欲しいんですけど。

内心で文句を言いながら、一切春樹の方を見ることなく適当に答えると、いきなり背後から首に腕を回されてしまった。


「おい!なにがどっちでもいいだよ!俺は一案しか出してねぇよ!」

「ぎゃー!なにするのよ!苦しいから!!」

「じゃあこれで勘弁してやる」


そう言うと春樹はソファーから降り、ピッタリ私に寄り添うと後ろからギュッと抱きしめていた。


「……ちょっと春樹さん、これじゃ勉強できないんですけど」


好きだって自覚して約一ヵ月。
いまだにこういった突然のスキンシップには慣れそうにない。


「えー、もう勉強とかいいじゃん。ふたりでいるときは、ふたりの時間を大切にするべきじゃありませんか?」
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