この度、友情結婚いたしました。
立ち止まることなくドアノブに手を掛けようとした時、触れてもいないのにリビングのドアが開かれた。

「……え」

驚き声を上げてしまった私の目の前にいたのは、仕事帰りのままなのかスーツ姿の春樹だった。

「行くなよ、これから大事な話するんだから」

「は?っていうかなに勝手に上がってるのよ。それよりもあんたねぇ……っ!」

勝手に派遣切りに遭ったことを両親にバラしてくれた春樹に、早速文句を言ってやろうとした時、急に手を掴まれてしまった。

「ちょっとなに!?」

手を掴まれたまま、春樹はリビングに入り、突然現れた春樹にびっくりしている両親の前まで足を進めた。

するとあっさり掴まれていた手を離されたと思ったら、今度は両親を前に肩に腕を回され、グッと引き寄せられてしまった。

「はっ、春樹!?」

一気に縮まってしまった距離にテンパってしまい顔を上げると、いつになく真剣な面持ちの春樹を至近距離で捉える。
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