Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・あ・・・」

体中の力が抜け、私はその場にへたり込んだ。
震えが止まらない。
寒いわけではないのに、歯がガチガチと鳴る。

「もう、大丈夫だ。リオン」

「う、ウェインんん~」

ウェインは優しく私を抱きしめる。
私はウェインの胸に顔を押し付けて、小さな子供のように泣きじゃくった。

「・・・怖かったな。ゴメン、守ってやれなくて」

「この、このペンダントがなかったら私達・・・!!」

「ああ、そうだな、モール様の力のお陰だ。・・・しかしあの程度でヴォルデルトが死んだとは思えない。必ずまた姿を現すだろう。その時までに何とか手を打たないと・・・!」

思っていた以上に常軌を逸していた、ヴォルデルト。
私、あんな奴と戦える?
アイツの前でフルートを吹ける?

・・・ダメだ、考えられない。・・・今は。


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