Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
第4章

新たな過去へ

アルデハラのシェルターとは違い、この国のシェルターはやけに静かだ。
歩くだけでその足音が部屋中に響く。

子供達がいないせいだ。
ここには大人達しかいないから。

どんな状況でも、子供達の明るい声や笑い声は、私達の気持ちを落ち着かせるのかが良く分かる。
ランプだけが灯る部屋。
簡素なベッドの上で、脚を抱きかかえてただぼおっとしていた。

いつヴォルデルトが襲ってくるかわからない。
もしかしたらその時が、最後の戦いになるかもしれない。
だから私は託されたこの曲を吹かなくちゃいけない。

だけど、練習する気になれないでいた。
吹いても吹いても、上手くいかない。ちゃんと吹ける自信がない。
でもちゃんと吹けなきゃ世界は終わるかもしれない。
その責任が重いんだ。押しつぶされそうに、重い。

どうしたらいい?どうしたらこの世界を救える?
私は上手く吹ける?吹けるようになるには・・・?

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