Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「誰か・・・助けて・・・」

そう呟いたって、誰も助けに来るわけじゃない。
私はひとりだ。

ジェイクは私を抱きしめながら、何があっても守る、と言った。
だけど、私は抱きしめられながら感じていた。

守る、んじゃなくて本当は、守って欲しい、んだと。
だからジェイクから離れられなかった。

彼は一人が怖いんじゃないかって。
一人に戻るのが怖いんじゃないかって。

彼は小さい頃から、私と同じ瞳のせいで孤独感を味わってきた。
気にしていないなんて言っていたけど、きっと心無い言葉に、行動に、少なからず傷ついていたはずだ。

だから、同じ瞳の私に、無意識に救いを求めていたんじゃないかと思う。
私に戻れなかったらどうするのか、と聞いたのも、きっとジェイクは・・・。


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