Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
『・・・決まっているのね、リオン』

「その答えが正しいのか、それは分からないけど・・・。でも、私は・・・」

『いいんだ。リオンがそう決めたのなら、その道に向かって進んでいけばいい。どの道を選んでも、正解も間違いもないよ』

ルリさんは私を真っ直ぐに見据えた。
そしてこう話す。

『・・・いいのね、リオン。あなたがあの世界に戻ると決めたのなら、地球であなたに関わっていた人達の記憶は失われる。リオンに関する記憶は全てなくなってしまうの。あなたはあの世界にいなかった事になるのよ?・・・それでも?』

「私の・・・記憶が・・・?」



ルリさんの言葉に、また心が大きく揺れた。


私を生み育ててくれた両親も、共に泣き笑い過ごしてきた友達も、みんな私を忘れてしまう。
何も言えないまま、感謝の言葉も言えないまま。


・・・でもどうせ戻らないなら、こんな私の事なんて忘れてくれていい。
こんな親不孝な私、友達よりも好きな人を選んでしまう私なんか。


何もない、そのままの自分で。
私はあの世界で生きていく。

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