Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～

「もう少しでデルンの森に着きます。あの緑の木々が見えますか？・・・あれです」

町から歩いて少し経った頃、ジェイクはそう口を開いた。
今まで枯れた木々しか見て来なかった私達の目に、生き生きとした緑が映る。

やがてデルンの森の入口に着いた。

一見なんてことのない森だが、入口に透明な壁のようなものがあり入る事が出来ない。
その見えない壁は森一帯を覆い、この世界で唯一の緑が茂る森となっていた。

「この結界は、此処に住んでいたとされる魔法使いが亡くなる直前にかけられ、以後誰もこの森に入る事が出来ませんでした。ヴォルデルトはこの結界を破ろうと強力な魔法を使ったようですが、結局破る事が出来なかったようです」

「ヴォルデルトでも破れなかった結界をどうやって破るの？」

「・・・さあ。そこまでは私には何も・・・。ただこのフルート、これが結界を破る鍵になっているのではないかと」