Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
『・・・この時を待っておった』

その言葉と共に、もやがゆっくりと人間の姿へと変わる。

「おば・・・あさん・・・?」

その姿は童話に出てくるような、魔法使いの老婆そのものだった。


『私はモール。かつてこの森に住み、ルリと共に生活をしていた者。そなたか、ルリと同じ世界から来た者というのは』

「そ、そうだと思います・・・。私は地球という星から来て・・・」

『リオン、と言うのだな?』

「は、はい」

『リオン。そのフルート、とても懐かしい音色だった・・・。ありがとう』


そう言って森の入口を向くと、手を前にかざす。
一瞬ぐにゃりとその部分が歪み、そしてまた元通りに戻った。

『結界の門を開けた。・・・付いてきなさい、案内しよう』


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