♥同居人は♥オカマです!


みんなが誉めてくれて、みんなが尊敬してくれた。




うれしくてうれしくて、しかたがなかった。




周りがいなくなるなんてことは、思いもしない。



*女子2*「かっりーってさ、意外とかわいいよね。
空手やってるところばっかりで男っぽいとこしか見ないけど。」




*女子1*「えー、気づかなかった?
男子に人気だし、いっつもかっりーの話だよ?」




可愛いとか、男子に人気とかは流石にみんなの早とちりなんだろうけど、普段、女の子らしいようには見えてないみたいだ。




もう少し女の子らしく、可愛く見せられるよう多少努力しないと。




そう思って、私は色々試してみた。




あの人にも女の子らしくなったねって、言われるようになりたかったから。




そういう風に、服装とか、仕草を気にするようになると、女子は益々私によってきた。




*女子*「かっりーさ、なんか変わったね!
いいんじゃない?
もうすぐ6年生だし、6年生デビューだね!!」




6年生になったときには、空手よりも女の子らしくを重視していた節がある。




だからかな。大会で少し苦戦した時もあった。


あの人も誉めてくれたし、充実した生活を送っていた。




でも、6年生になってからしばらくして、しょっちゅう会っていたあの人は、1ヶ月に数回会う程度になった。




中1になったときには、ほとんどあっていない。




一ヶ月に一回会うか、会わないか。



私はそのせいか、あまりよろしくない人たちと付き合うようになった。




とても親に自慢できるような出で立ちではない人とばかり。




なぜなのかは、今もわからない。




寂しさを埋めるためか、単純に魔が差したのか。


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