姫と年下王子たち
すると…。


「俺をだれだと思ってんだよっ」


絢斗は優しく微笑んだ。


しかしその顔は、どこか悲しそうな表情にも見えた。


「俺は、ひなの幼なじみだぞ?」

「…ふふ、なにそれ。答えになってないよ…」

「なってるよ。小せぇ頃からいっしょなんだから、ひなが行きそうな場所くらいわかるって」


自慢気な表情の絢斗。


…実は、絢斗があたしを探しにこの河原へきたのは、今日が初めてではなかった。
< 1,026 / 3,957 >

この作品をシェア

pagetop