姫と年下王子たち
川や雲の流れを見ていると、心が落ち着くからだ。


そういうときは毎回帰りが遅くなり、決まって絢斗が迎えにくる。


…今回もそうだったように。


だから、彼氏に会いに行ったあたしが、ここにいるということは…。


ただのケンカではなく、別れたのだということを…口に出さなくても、絢斗にはそう言っているようなものだった。



「で、1人で泣いてたんだ?」


絢斗は、あたしの隣にしゃがんだ。
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