姫と年下王子たち
こんなに自分が動揺するとも思わなかった。


「それなら、いっしょに病院までついてきてもらえるかな?」

「…えっ」


しかし、「嫌」とは言えなかった。

こんなに弱った由香里を前にしては…。



俺はそのまま付き添いとして、救急車に乗せられた。


初めて乗った救急車に、なかなか緊張を解くことができない。


車内は沈黙で、救急車のサイレンの音だけが俺の耳に聞こえる。
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