姫と年下王子たち
あたしはなにも言えないまま、桔平くんの家を出た。



外はもう真っ暗で、涼しい夏の風があたしの髪を撫でる。


家庭教師の担当初日早々、ベッドに押し倒されて…。

そして、帰る間際のあの言葉…。


“次からはもっと難しい問題集持ってこぉへんと、ほんまに襲ってまうで?”


こんなに身のキケンを感じたバイトは、初めてだ。


そのせいか、背筋がゾクッとした。
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