冷たい舌
「お前だって、顔で客呼んでるだけの御神楽だろうが、透子」

「龍也、おねえちゃんを呼び捨てにするんじゃありませんって何度言ったらわかるの?」

 すみませんねえ、と龍也は気のない声で返事をしながら、ソファを跨ぐと、自分の椅子を引く。

「おねえさまのあまりの美しさに、とても姉だと思えないんですよ。

 ―そうだ、透子。
 忠尚にいい加減、DVD返せっていっとけ」

「DVDって、何のDVDよ」

「……お前は知らなくていいDVDだ」

「やあね、あんたたち、そういう趣味だけ、合ってるんだから」

 潤子さん、とようやく公人が口を差し挟む。

「透子はこの八坂の巫女なんじゃから。
 そこのところを」

「やあだ、おじいちゃんったら。
 まーた、そんな古臭いこと言っちゃってえっ」

 あははーと笑いざま背中をはたかれ、咳き込んでいた。

 往年の能力者も形無しね……。
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