フキゲン課長の溺愛事情
 璃子はパッと顔を輝かせた。

「もしかして」
「そうだ。エコハウスを実際に見てみた方が、イメージが湧きやすいんじゃないかと思ったんだ。それに近くに温泉施設もあって日帰り入浴できるから、リフレッシュできるだろう。予定がないなら日帰りで、どうだ?」
「行きたいです! 課長が一番印象に残っているプロジェクトなんでしょう? 実際に見学できるなんてステキ! しかも温泉~! 日帰り入浴~っ!」

 考えるだけでもワクワクしてきた。

(課長のことを〝不機嫌課長〟だと思ってた頃なら、課長とふたりきりで出かけるなんてありえないって思っただろうけど……)

 こんなにも胸が高鳴るのは、本物を見られるから? 温泉が楽しみだから? それとも課長と出かけるから……?

 達樹が食べ終えた手羽先の骨を小皿に置いた。

「それなら決定だな。片道三時間かかるから早起きしろよ」
「早起き……」

 璃子にとってそれが一番の難題だ。なにしろ休日は寝坊するのが璃子と啓一の日課だったから。

 璃子が肩を落としたのを見て、達樹がいたずらっぽく言う。
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