君を想う
開発事業部のイケメン


駅の改札口を通り、また傘をさして歩く。
都会とは言えないが田舎よりは少し拓けてる場所に私は住んでいる。

駅から徒歩で約15分、会社の建物が見えてきた。
周りには幾つかの大きなビルが立ち並びそのうちの1つが私が働いている会社になる。


「瞳子さん、おはようございます」


「おはよう里奈、今日も一日雨が降りそうだね。昨日も午後から雨だったし、こう続くとちょっと鬱陶しいなぁ」

「そうですね。でも明日からは晴れるそうですよ」

「そうなの?」

「朝の番組でちょうど天気予報がやっていて、そう言ってました」


「そうなんだ」


会社のビルに入り二階フロアにある更衣室で着替えを済ませ。
同じ階のフロア内の別の場所に移動すると先輩の宮内瞳子さんはもう来ていた。始業時間まであと10分。
私、藍川里奈はこの会社の受付嬢をしている。


暫くすると濃い紺色のスーツに身を包んだ男の人が現れた。


「里奈、田辺さんが来たわよ!」

田辺さんは取引先の営業マン、歳は20代後半だって瞳子さんが言っていたけど童顔でもう少し若く見える。
雨に濡れてしまったのか前髪が濡れていた。


「おはようございます。今日は9時に戸枝課長と会うことになっているのですが」


「暫く、お待ちください」


戸枝課長に内線電話で連絡を取ったあと三階のフロアにどうぞと伝えると田辺さんはエレベーターで上がって行った。


「田辺さんって里奈に気がありそうだね」


「まさか、何でそんな事を言うんですか?」


「里奈に対する態度とか、あとは私の勘?かな……」



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