ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
「ここでいいよ。じゃぁね、バイバイ」


そして、奈緒は、奈緒の気持ちを初めて聞いた日と同じように、走って帰った。


これからも、奈緒と友達でいられる事にホッとしながら、俺は奈緒の後ろ姿を見ながら、自分と重ねていた。

俺も七海に振られた時、


「これからも友達でいてくれる?」


そう言った。

友達としてでもいいから、七海の事を見守りたい。

友達の位置でいいから、七海が幸せそうに笑っている姿を見ていたい。

そう思っていたけど、気持ちの整理がつくまでは、七海の事を見るのも辛かった。

それに、しばらくは気まずかった。

というか、俺が七海の事を避けていたから、余計に気まずく感じていたのだろうけど。


奈緒は、どういう気持ちでそんな事を言ってくれたのだろうか。

奈緒とも、七海みたいに友達に戻れるだろうか。

でも、奈緒なら……

奈緒なら、ずっと俺のそばにいてくれるだろう。

これからも、友達でいられるだろう。

だから、大丈夫。

そんな風に思っていた。


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