SEXY-POLICE79
同時に天井が抜けて、上から大きな塊が草間の頭上にふりかかる。

防げない……。

気づいた河和は草間の手を引いた。ど―ん、という大きな音に、ゴンッと小さな音もひとつきこえた気がしたがそんなことは気にしていられない。もくもくと舞う砂煙が目にしみり息苦しい。

「ケホケホケホッ。さ、サンキュー河和」

「全く世話がやけますね。あなたという人は」

危機一髪といったカタチで河和に助けられた草間。河和が助けてくれなかったから今ごろコンクリートの塊でぺしゃんこになっていただろう。草間は血の気が引いたみたいに背筋が凍った。と同じく痛むさっきぶつけた頭。痛い…を通り越してすこし惨めにも思う。
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