SEXY-POLICE79
俺はずっと自分に嘘をついてきた。ここにあって存在し、ここになくて見えないもの。チカラは好む好まれざるに関わらず内に宿り、俺はそれを開化させた。在りもしないものが見える。それは他者の人間にとって興味を抱くものであり、同時に軽蔑されるもの。

俺は、何なんだ…。人間じゃないなら何なんだ。化け物なのか。
俺はあの化け物と同じなのか…。

「…俺は何なんだ―――」

ジュゥと焦臭いにおいが部屋中を覆い、桐野は「うわっ」とフライパンにかけてあった火をとめる。ぷすぷすと見事に黒く染まった目玉焼きは、桐野の心に重い鉛を押しつけるのであった。






      ☆☆☆






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