まるでペットのような彼
弁護士?

私は、ビックリして悠の顔を眺めてしまった。

「意外だった?俺、これでも司法試験に受かってたりするんだよね。副社長の奥さんと知り合いなんで、この会社付きの弁護士にさせてもらったんだ。調査など担当だよ。」

まだ驚きのビックリ箱があったんだ。
悠って、ホントに計り知れない。

「それで、部長さん。うちの嫁に触れたりしないでください。セクハラ対象になりますから、覚えておいてくださいね。」

なんてタイミングがよいんだろう?
私の危機に現れてくれる。

不思議そうに見ていたら
「実は、今回のこのタイミングは、郁美のことをある人から連絡もらったからなんだ。たまたまこの会社に来る用事もあったんだけどね。」


きっと私は、おかしな顔をしていたに違いない。

「さ、もう問題ないから郁美は、仕事モードになってね。そのままの顔じゃ係長に見えないよ。」


後ろでコホンと咳払いが聞こえた。
副社長だ。
部長と同じくらいの年代なのに、白髪頭になっているけど、スタイルは、中肉中背で品がある。

「若いって、よろしいけど、ここは、会社だからね。」

私は、立ち上がり頭を下げた。

「申し訳ありません。」

「まぁ、責めてるわけじゃないから、職場に戻りなさい。」

「はい。ありがとうございます。」

「君も、今回のことは、大目にみるから、以後注意するように。」
部長に対して副社長が言う。
部長もお叱りをうけて、苦虫を噛み潰したような顔をしている。

私は、副社長と悠に挨拶をして職場に戻った。








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