まるでペットのような彼
「…ねぇ?」

こんな甘えたように擦り寄ってくる郁美は、珍しい。
すぐ猿になりたい気持ちを抑えてこたえる。

「ん?」

「…会社に、よくくるようになるの?」

この様子は、なにか心配してるようだ。

「なにか不都合でもあるの?」

「ん?ないんだけど…」

「心配ごと?」

俺は、郁美のことを抱き締めながら顔を覗きこむ。

そうすると、少し恥じらう郁美がまた堪らない。


「そ…そんな…たいした…なんでもない。」

郁美は、感情に対して嘘が下手で隠し事ができない。
この感じだと俺絡みの可能性が高い。

「女性社員の噂が気になる?」
ちょっと鎌をかけてみた。
顕らかに動揺している。

当たりか~


「郁美が妬いてくれてるなら、すごくうれしいな。」
そう言いながら額にキスを落とす。

赤い顔をして戸惑っている。
これだけ隠し事できないくせに、感情を素直に言葉にできないんだもんな~
ま、態度でわかるからよいんだけどね。

「俺は、いっぱい嫉妬しちゃうよ。」

そう言いながら、郁美の身体に指を這わせる。
そっと撫でると、感じやすい郁美は、すぐに反応を見せる。

「郁美の身体は、こんなに素直に表現してくれるのにな~」
そう言いながら、弱いとこを撫でていくと、甘い吐息が漏れる。



いつものように郁美を堪能したのは、云うまでもない。


俺たちは、これから築いていくんだ。











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