まるでペットのような彼

二人の生活がはじまって

計画してたように、結婚前に子どもを授からなかったけど、俺たちの生活は、以前と変わらずうまくいっている。

変わったことといえば、郁美がたまに擦り寄ってくることが増えたくらいだ。


入籍する前には、なかったことだけど、俺にとっては、よろこばしいことだ。


ホストのバイトを辞めても、俺自身が行かないだけで、出張ホストサービスの仕事をやっている。

昼間に呼ばれることが、多いので学生バイトが多いのだが、もちろん口の堅い人材で揃えて雇用契約書にも顧客の情報漏洩に関する制約が盛り込まれて、サインしてもらっている。

ちなみに、同じ大学出身の後輩が必然的に多い。


昼間の出張先には、大企業の上役を務める人のご婦人方からのお呼ばれが多い。

そういったとこで、企業に関する話しこそ、そうそうないものの、そんなご婦人方がホスト遊びを楽しんでいるのが問題になることもあるから、口外しないよう徹底しないと信用をなくすことになる。


そこら辺は、バイトといえど誓約が必要となる。
もちろん教育もだ。

枕営業などもちろん禁止だし、余分なチップなど貰わないように注意する。

たまに気に入ったりするとチップで釣って囲おうとするご婦人がいるからだ。


そんなときの断り方などの対応方法もマニュアル化している。

実際には、人相手に人が対応するからマニュアルだけで対応しきれないが、そこの臨機応変さがホストとしての腕になる。






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