まるでペットのような彼
「それで二人は、これからってどうするの?」

「もちろん、奈央子に着いてきてもらうつもりですよ。」

「わぁ、素敵。よかったわね、奈央子。」

目の前で無邪気に喜んでいる妊婦の郁美に心配かけたくなくて、曖昧に応えることしかできない。
着いてきてもらうつもりですよ?なんも聞いてないぞ!


飄々として、掴み所がない。
私は、好きだとかの愛の囁きなんかもらったことない。

ベッドでも、私が恥ずかしい言葉を言わされるばかりで、ドSな周。



イライラしながらつい思い出してしまった。



『奈央子、どうしてほしいのか言ってごらん?』

私を焦らすだけ焦らして言ってのける目の前のイケメンは、なんとも妖艶で色気を醸し出している。
誘われるままに、求めている言葉を紡いでしまう。

『ほ、ほしい…焦らさないで…』
私を煽る手の動きは、止まってくれない。

『そんな言い方じゃ、わからないよ。ほしいのは、これ?』

求めているものじゃなく指で探られてしまう。
それだけでも、すごく反応してしまうけど、ほしいのは、これじゃない。


『や…違う…』

『ん?なら、はっきり言って!』

そう言って、指をゆるゆると動かしている。



そんな男に、毎回翻弄されてしまう。
私は、Mじゃないんだけど、この男から与えられる快楽から離れられない。











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