まるでペットのような彼
覗き込む瞳とうっすらと開けた私の目が合った。

「郁美さん。かわいい」
悠がいつも言ってくれる言葉。
だけど、今日は、素直に聞けない。

「か…かわい…ない…」

「かわいいよ。俺にとっては、特にね。身体みたいに心も素直になって…」




それからは、悠のされるままに溺れるように翻弄されてしまった。


今日は…、いつもと違ってその手が途中でとまる。

もっと…
もっとと、私の身体がねだっている。

もどかしくて…
ねだるように身を捩り、悠を見上げる。


「そんな物欲しそうにしても、ダメ。素直になったら、してあげる。
で、どうしたの?こんな落ち込んでるの珍しいじゃない?」

そんなこと言われたって、どう言ったらよいのかわからない。


「……」
困ってしまって、顔を背けてしまう。

だけど…すぐに手で抑えられて、顔の向きを戻される。

「言えないの?」

「…っ……」

「泣かないで」

涙が瞳に溢れてきたら、またキスが降ってくる。
奪われるようにキスされたあと、目もとにもキスされる。

「郁美…言わないと伝わらないよ」

そう言われて、やっと口を開く

「わた…し…羨ましい…の…」







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