まるでペットのような彼
「今朝~?」

「そうよ。今朝。」

「で、相手は、ハルくんなんでしょ?」

「他にいないもの…」

「婚約したの?」

「昨日、プロポーズされた。」

「ま、まって…」
珍しく奈央子が焦ったような表情をしている。
まぁ、別れるかもしれないようなことをつい先週に話してたばかりなんだから、急展開って感じよね。
私自身だって、他人事のような感覚になってしまいそうだもの。

「卒業まだよね。」

「うん」

「もしや、卒業したら結婚とか?」

「それは、まだ未定。」

「ハルくんに、早すぎない?」

「それは、私も思ったんだけど…悠が子どもが欲しいって言うから…」
自分で言ってて言い淀んでしまう。

「子ども?まさか出来たんじゃないわよね?」

「まだよ。だけどつくるつもり。」

「それこそ、ハルくんに早いんじゃない?」

「私も言った。そうしたら、子どもをつくるのに、私の年齢を考えて早めにしたいと思ったって言われたの。」

「へ~、郁美のことを考えてなのね。だけど生活もあることだし、バイトだけじゃ、やっていけないよね。バイトじゃなくすの?」

「それについては、逆にバイトを辞めるみたい。他にすでに仕事していて、私がいま仕事辞めても生活できるから大丈夫だって言われちゃった。」

「えっ?郁美、仕事辞めるの?」

「もしもの話しよ。」

「生活が大丈夫だなんて、なんの仕事してるの?」

「まだ詳しく知らないんだけど、起業していてそれが軌道に乗ったからって言われたわ。」

「それって、学生社長ってやつ?」

「そうみたい。」









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