まるでペットのような彼
告白されてから次の休みに私の両親に挨拶に行った。


予想通りというか、想定内というか、私の両親は、悠の年齢にビックリしたものの、私の気持ちが大切だとさしたる反対もせず、了承してくれた。


悠もホッと安心したらしく、『これで、心おきなく子づくりできるね』なんて言ってニッコリとするものだから、私の顔が赤く染まったことは、いうまでもない。
またそんな反応を悠は、よろこんでいる。



宣言されていたから、子どものことも気にしていたが、今回は、残念ながら授からなかった。


そして、私たちは、悠の卒業を待たずして入籍することにした。








そして、また会社で私は、奈央子に捕まっている。



「ちょっと…まだ1週間ほどしか経ってないのに、なんで結婚指輪になってるのよ。」

いやいや、奈央子さん、そんなに凄んだら、綺麗な顔が台無しですよ。

心での突っ込みは、言葉にしないで、奈央子の質問に答える。

「もう、両親にも挨拶したし、子どもを早めに欲しいから、入籍を済ませちゃったのよ。上司には、これから報告する。」

「決めたら早いって、起業家って感じだわ~
住むところなんかどうするの?」

「それが、すでに悠が探していて、来月には、引っ越す予定なんだ。」

「さすが!なんだか、年齢じゃないのねって思えるわね。」

「そうなのよ。はじめは、かわいい大型犬みたいだったんだけど…」

いまでも、肉食狼系大型犬だってことは、黙っておこう。









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