まるでペットのような彼
2月最後の金曜日。
私が"一夜"へ行く最後の日になるだろう。
それは、悠が今月いっぱいで"一夜"を辞めるからだ。
悠は、私との結婚と卒業を期に"一夜"を辞めることにしたんだ。
もともと起業した会社の資金と学費などの生活費のためのバイトだったから、卒業して会社も軌道に乗ってきたことで辞めることになったのだ。
そして、私と奈央子は、"一夜"にいる。
いつものように奈央子のご指名でミキくんが着いている。
で、私のご指名がハルなんだけど…
私の隣にハルは、いない。
他でご指名を受けていてなかなか離れられないのだ。
今月いっぱいで辞めるとわかっているからか、いままでのお客様が何人かきているらしい。
「郁美。けっこうご指名入ってるみたいね。」
「まぁ、人気あったってことだから、仕方ないんだろうけど…」
チラチラ見ているとやたらとしなだれかかる女性もいる。
アフターにでも誘ってそうだ。
仕事だって、わかってるんだけど、見ちゃうとあまりよい気分にならないものね。
ハルが私のとこに着たのは、入店してから少し経ってからだった。
「お待たせいたしました。ご指名ありがとうございます。」
そう言いながら私の左手をとり、ニコリとしながら薬指にある指輪をさする。
「あまり見せつけないでね。」
奈央子が小声で言ってきた。
悠にも聞こえたようで、微笑んでいる。
私が"一夜"へ行く最後の日になるだろう。
それは、悠が今月いっぱいで"一夜"を辞めるからだ。
悠は、私との結婚と卒業を期に"一夜"を辞めることにしたんだ。
もともと起業した会社の資金と学費などの生活費のためのバイトだったから、卒業して会社も軌道に乗ってきたことで辞めることになったのだ。
そして、私と奈央子は、"一夜"にいる。
いつものように奈央子のご指名でミキくんが着いている。
で、私のご指名がハルなんだけど…
私の隣にハルは、いない。
他でご指名を受けていてなかなか離れられないのだ。
今月いっぱいで辞めるとわかっているからか、いままでのお客様が何人かきているらしい。
「郁美。けっこうご指名入ってるみたいね。」
「まぁ、人気あったってことだから、仕方ないんだろうけど…」
チラチラ見ているとやたらとしなだれかかる女性もいる。
アフターにでも誘ってそうだ。
仕事だって、わかってるんだけど、見ちゃうとあまりよい気分にならないものね。
ハルが私のとこに着たのは、入店してから少し経ってからだった。
「お待たせいたしました。ご指名ありがとうございます。」
そう言いながら私の左手をとり、ニコリとしながら薬指にある指輪をさする。
「あまり見せつけないでね。」
奈央子が小声で言ってきた。
悠にも聞こえたようで、微笑んでいる。