ハピネス
「それじゃあそろそろ学校行くか………早くしないと遅刻しちまうからな」


そのままスタスタと歩かれて、喉の真ん中がギュッと押された感覚にとらわれた。


謝ってくれた比嘉君だけど、きっと100%私を許してはいない。


昨日私が壊してしまったのは、オルゴールだけじゃない。


私は……❝友達❞としての私と比嘉君の細やかな繋がりまでも………ブチ壊してしまったのかもしれない。


「ごめん…なさい……」


昨日から似た様なセリフしか言えない自分が、嫌になる。


腕時計が遅刻ギリギリの時刻を示すまで、私の足は一歩も動けなかったのだった。
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